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埼玉 入試情報
2022.5.16

〈2023年度入試〉埼玉入試情報 「公立高校-令和4年度入試の検証から5年度入試を探る」 -令和5年度

いよいよ計画を立てる時、スタートダッシュだ

連休が明けて、中3生は、いよいよ令和5年度入試に向けて本格的に始動する時節が来た。
新型コロナは、いまだに収まらず、感染を避けるための最大限の注意が必要とされる。
今年も受験までの道のりは厳しそうだ。
前年4月から、中学校の新しい学習指導要領が施行され、同時に通知表や調査書の観点別評価が変わった。これに伴い、各教科の「学び」にも変化がありそうだ。
令和4年度の公立高校入試について総括し、5年度へ向けての変化を予測する。

令和4年度の公立入試はこう実施された

令和4年度の公立高校(全日制)の入試では、3万6,961人(転編入枠240人を含む、伊奈学園中、市立浦和中の159人を除く)の募集人員に対し、4万453人が出願した。
出願日は2月10日・14・15日(10日は郵送)。14・15日は、県内私立高校だけでなく都内・近県の国立・私立高校の入試も終了している。
12月の進路希望調査での公立希望者4万1,261人のうち98%が出願したことになる。出願倍率(出願者÷募集人員)は1・10倍で、前年度と同じだった。

志願先変更を経て、受験当日の欠席者が155人、当日までの志願取り消し者が225人で、受検倍率も前年度と同じ1・09倍となった。
合格発表で転編入枠を含め、募集人員を上回る合格者を出す学校もあったが、実質倍率は1・14倍(実受験者数÷合格者数)となっていた。
4年度入試の不合格者は、4,769人。前年度の不合格者4,476人より増えており、人気校の入試の厳しさは継続している。

なお、入試の欠席者と取り消し者で、新型コロナ罹患者が157人出ていた。再受験のチャンスは与えられていたが、体調管理が強く求められている。

7月には公立の要項、募集人員が発表される

令和5年度の入試は、ほぼ前年に準じた日程で実施される予定だ(※注1)。また、入試選抜についての方針に変化はないとみられる。
例年、学校ごとの入試選抜基準や、選抜要綱、募集定員等は,7月上旬に発表される。

来春の入試に臨む公立中学校卒業予定者は、およそ5万9200人,前年から200人程度減少する見込みだ。(令和3年度学校便覧)。それに伴い、全日制の募集人員は2~3学級程度減少すると見られる。
また、「魅力ある県立高校づくり」の第一期計画において、令和5年度入試から飯能と飯能南の統合により開校する新校(現飯能の場所)、及び児玉と児玉白楊の統合により開校する新校(現児玉白楊の場所)が募集を開始する予定だ。既存の4校は募集停止となる。

選択問題は、難問が続く事前の研究は不可欠に

入試選抜は、調査書と学力検査の得点の総合評価(合計得点)で行われる。
受験生には得点力を高めるための自ら学ぶ努力と、評定を確保するための努力(中間・期末考査のがんばりや授業への集中力)が求められている。
学校選択問題は、4年度では浦和、浦和第一女子、浦和西、市立浦和、大宮、蕨、川口北、川越、川越女子、川越南、所沢、所沢北、和光国際、熊谷、熊谷女子、熊谷西、不動岡、越ケ谷、越谷北、春日部、川口市立、大宮北の22校で実施された。

学校選択問題には難問が多いとされるが、志望校が選択問題採用校ではないから、難しい内容の勉強をしなくてよいということではない。
難問まで含めて、中学校での学習範囲であり、高校での学習はそこからの積み重ねになるからだ。
令和5年度の選択問題採用校は、まもなく発表される予定だ。
該当校を志望するならば、早めに過去の入試問題を入手して、見ておくことが必要となるだろう。

2回の志望校調査は、志望校を決める機会

埼玉県では例年、10月1日と12月15日日付けで、国・公・私立の中学3年生の進路希望調査を実施している。
1人1校、第一志望校を中学校に提出した結果が集計される。
10月1日付けは11月初旬、12月15日付けは、1月中旬に発表される。
皆さんが初めて公式に志望校を明らかにするのは、この時点となる。
12月15日付けの調査は、ほぼ全員が第一志望の高校を決定しているため、その年度の入試の動向を知る重要な資料だ。
令和3年12月15日付けの高校等進学希望者は、98・6%、県内公立希望者は、65・1%であり、公立希望者は、前年から853人(マイナス0・3%)増加していた。

連休があけ、いよいよ受験期に突入

令和5年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定の扱いだ。
前年4月から中学校の新学習指導要領(※注2)が施行され、思考力、判断力、表現力を伸ばすため工夫された授業が開始されている。

同時に、各教科の評定の基となる観点別評価は、これまでの国語5観点、他は4観点から、全教科「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に変更された。
気づいている人もいると思うが、通知表もこれを基に改訂されている。すべての観点がA~Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。

定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や積極的に授業に臨む姿勢、考えて発表する内容、提出物などが大きなウエイトを占める。さらに、授業への集中や緊張感などが求められている。
連休が明け、いよいよ受験を意識する時期となった。コロナ禍で積極的になりにくいことも多いが、早めのスタートでワンランクアップを目指そう。

※注1:埼玉県公立の入試日程はこちら
〈2023年度入試〉埼玉県「公立高入学者選抜の日程」-令和5年度
※注2:どの地域でも一定の水準の教育を受けられるようにするために、国が学校教育法等に基づいて定める。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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