よみうり進学メディア

東京 入試情報
2024.9.10

〈2025年度入試〉東京入試情報 「夏休みが終わり、いよいよ受験本番に」

夏休みが終わり、いよいよ受験本番に
今は全力で志望校を探し、出会おう

酷暑の夏が過ぎ、これからは1日ごとに秋の気配が近づいてくる。

そんな中で、今春の中学校卒業生の進路状況が発表された。
都立が男女合同選抜に移行する等の変化の中、不安を克服して見事に進路を確定させた先輩たちの姿が、数字の中に垣間見える。
次は、君たちが本気で受験に挑戦する番だ。

間もなく、令和7年度の都立高校入試の、入試選抜実施要項が発表され、10月には、各校の募集人員、が発表される。

入試全体については、前年と大きな変化はないと見られる。

いよいよ秋の陣、志望校の選択の時期が来た。

 

先輩たちの努力の跡が今春の中学卒業生の進路に

東京都教育庁から、令和6年3月の公立中学校卒業生の進路状況が発表された。※1

令和6年度の受験生は、感染症予防のため大規模な相談会や各校の入試説明会が予約制や定員制になり、制約が続いていたこと。
中学校の学習指導要領で3年間学ぶ、完成年度の受験であったこと。
私立高校入学者に対しての助成金制度が大幅に見直されたこと。などの変化の要因があった。

また令和6年度の都立入試では、男女合同選抜の完全実施になるなどの入試の変更もあった。

令和6年3月の卒業生は、78,953人で前年より460人増加した。一方、都立全日制では10学級395人の募集人員減を実施していた。
高校等への進学者は98.3%となり、前年より0.1%低下していた。
全日制進学者は86.5%。内訳は都立高校が約59%、都内私立が約36%、都外が5%などとなっていた。

来春の卒業予定者は、今春より200人程度増加する(東京都教育人口推計値より)。
このため、3クラス程度の募集増が予想される。

学科の改編や募集人員の増減が、人気の動向に影響する可能性は高い。

 

■※1 令和6年3月中学卒業者の進路状況調査について詳しくは:よみうり進学メディア
東京都 令和5年度公立中学校等卒業者(令和6年3月卒業)の進路状況調査の結果(速報値)について

 

都立工業系高校の新たな学科改編が発表された

10月には、7年度入試に向けての各校の募集人員が発表されるが、それに先立って六郷工科の学科改編が発表された。
この改編は6年度から実施されている「Society5.0を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクト※2」の一環で、社会の変化やIT化などに発展的に参画できる人材の育成のための学科改編となる。
・六郷工科→プロダクト工学科・オートモビル工学科・システム工学科・デザイン工学科・デュアルシステム科の5学科をものづくり工学科に再編

前年度では、次の4校に新しい学科が誕生している。
・都立科学技術→科学技術科の一部を創造理数科に改編
・中野工科→キャリア技術科を食品サイエンス科に改編
・杉並工科→機械・電子・理工環境の各科を統合しIT・環境科に再編
・北豊島工科→総合技術科を都市防災技術科に改編

 

■※2「Society5.0を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクト」について詳しくは:東京都教育委員会
「Society5.0を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクト Next Kogyo START Project」の策定について

 

新型コロナは5類になっても要注意

夏休みが明け、いよいよ受験のための重要な期間に突入した。

例年、都の有識者による「入学者選抜検討委員会」から発表された報告内容を基に、都教育庁が入試要綱の作成を行う。
9月下旬までには入試要綱や、各校の選抜方法等が発表される。

新型コロナやインフルエンザなどの感染症は、制限は緩和はされたが、依然として要注意となっている。
・推薦・一般選抜の出願は原則WEB出願とする。
・推薦・一般選抜の検査は、原則1日で実施する。
・合格発表は掲示とウェブサイト掲載とする。
・不合格者への得点開示は、入学手続き翌日からとする。
・推薦の検査で集団討論は解禁となった。
などが関連の変化となっている。ただし、罹患に注意することも重要な入試対策となる。

 

説明会・相談会に参加して、志望校と出会おう

9月以降、多くの公・私立高校で、学校説明会や入試説明会・体験入学が実施される。
申し込み制や予約制での実施が多くなっているようだ。受験生に学校の雰囲気や施設、部活などをみてもらい、学校選択の参考にしてほしいという願いが込められている。

また私立高校では、12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を実施している学校が多い。
個別相談とは、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする学校と「個人的な質問に答える場」とする高校とがある。
高校の先生方と接する機会としての個別の相談は重要だ。

また、説明会や相談会への参加は合否の予測だけでなく、学校と自分の相性や、高校生活の実態を垣間見る機会としても利用しておきたい。

私立志望者だけではなく、併願での受験者も、個別相談に参加することが必須となる。
説明会や相談会に参加したら、担任の先生に報告しておこう。

私立高校には、学校ごとに異なるコース(類型)や入試制度がある。希望するコースや利用したい制度、出願基準などを調べておくことも必要だ。
高校を見て、触れて、感じて、目指す志望校と出合ってほしい。

 

学費を気にせず、学校を選択できる時代

私立高校生に対して国から就学支援金という助成金が付く。
東京都では、さらに6年度から、家庭の年収の目安や、授業料支援の限度額が廃止され、都外進学者を含めて全員授業料が助成対象となる。※3
詳細は、東京都私学財団のホームページで確認できる。※4

私学入学者に対する公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、より自由に学校選択できる時代になっているのだ。
いよいよ受験生は、『志望校の選択』の時期に突入する。

 

■※3 所得制限なく受けられる私立高校等の授業料支援について詳しくは:東京都報道発表資料(生活文化スポーツ局, (公財)東京都私学財団)
所得制限なく私立高校等の授業料を支援/授業料負担を軽減するための新たな支援

■※4 就学支援事業全般について詳しくは:東京都私学財団
学費負担軽減事業パンフレット・動画

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

 

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