高校受験は中学生のみんなも、保護者も、ほとんどの人が初めて。
なのに入試について、まとめて知る機会はあまりなかったりしませんか?
入試日程と手続きの流れ、入試の仕組み、内申書(調査書)、
偏差値、勉強スケジュール…
高校入試の基本中の基本をまとめてみました。
これは各都県とも共通で「2024年4月に高校1年生になる生徒を対象にする試験」という意味になります。
1月の中旬の私立高と、2月下旬~3月上旬の公立高まであるため長く感じるかもしれません。
■私立高の入試には推薦と一般があります
■さらに私立高の一般入試には、2次募集もある(学校により3次募集がある場合もあります)
■公立入試は2月中旬から3月上旬です。
そのため、人によっては入試期間が長めになります。
平均的な日程は(※東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の場合)
・1月下旬~2月上旬 私立高推薦入試
・1月下旬~2月下旬 私立高一般入試
・2月中旬~3月上旬 公立高入試
①公立高の入試(受験)は、埼玉県・千葉県・神奈川県では基本的に1回だけ実施、東京は複数回です。入試の回数も各自治体によって異なります。
神奈川県を例にすると、神奈川県は基本入試1回ではありますが、厳密には神奈川県の公立の区分によって分かれます。昨年度までは以下の日程で設定されていました。
1:共通選抜(全日制・定時制・通信制の課程)、連携型中高一貫教育校連携募集、海外帰国生徒特別募集、在県外国人等特別募集、インクルーシブ教育実践推進校特別募集及び中途退学者募集
2:定通分割選抜(定時制(夜間)・通信制の課程)
3:二次募集
(1)全日制の課程(一部の定時制の課程を含む。)、インクルーシブ教育実践推進校特別募集
(2)定時制・通信制の課程(一部の定時制の課程を除く。)
4 神奈川県立神奈川総合高等学校における海外帰国生徒特別募集の後期募集
しかし神奈川県では、2024年度入試(令和6年)から、以下の変更を発表しています。
→こちらの該当記事は:〈2023年度入試〉神奈川県 公立高校「入試での面接必須」廃止へ ほか
■詳しくは:神奈川県ホームページ
・「令和5年度に実施する入学者選抜から公立高等学校の入学者選抜制度の一部が変わります」リーフレット
各都県別で日程が違うこと、昨年度と本年度でも内容に変更があることに注意しましょう。
そのためにはまず、自分の住む都県の入試要項(公立・私立)を確認すること、本年度の変更事項を確認することです。
このサイトでは1都三県各々の公立高校入試情報と、本年度(2024年度)の変更事項も順次分かりやすくお知らせしていきます。定期的にチェックするようにしましょう。
②さらに、入試制度(検査方法や助成金など)も各自治体によって異なります。以下説明していきますので、参照してください。
→Q4都道府県ごとに入試の仕組みが違うの?
→Q5内申書(調査書)ってなに?
→Q7学費など公的補助はどこで調べればいいですか?
■厳密には各都道府県で異なりますが、スケジュールの目安は
・11月頃:三者面談(保護者と学校の先生、受験生とで高校受験について具体的に話し合います)
・12~1月:志望校決定(日程が見えてきます)
・1〜3月:出願(必要な書類を受験校に提出)
・志望先変更:公立のメインの入試だけ、受験校を変えるチャンスが一度あります。
・入学試験:学科試験や面接、実技などの試験を実施
・合格発表:入試後数日で合否が発表されます(近年はWebでの発表がメインになっています)
・入学手続き
■受験校をどこにするかは11月に候補をあげ、年末あたりに決定するのが目安。年末の学力を見て、内申書の内容が確定して、受験校の受験希望者の状況をみて、総合的に判断し出願先を決定することになります。
このサイトでは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の、内申書関連の情報や、各都県の希望者情報なども順次お知らせしていきます。例えば2023年度東京都の場合は
■都立高入試要項※2023年度:
〈2023年度入試〉東京都 都立高「入学者選抜実施要綱」発表-令和5年度
■東京都内私立高校入試要項※2023年度:
〈2023年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和5年度
■都立高倍率※2023年度:
〈2023年度〉東京都 都立高校「応募状況(願書受付時2月9日)」発表、普通科1.37倍-令和5年度
■東京都内私立高倍率※2023年度:
〈2023年度入試〉 東京都 私立高校「応募者状況(1月27日付け)」を発表。 朋優学院(普)国公立TGコース33.44倍-令和5年度
■また、毎年受験生がいちばん悩むのが「出願校決定」。こちらのまとめをご一読ください。
・「志望校はどうやって決める?」志望校決定へのステップ-まとめ
県や市が設立した学校が公立高校、創立者の建学の理念に沿った教育を実施する学校が私立高校です。私立高校はそれぞれ特色があり、公立とは異なる教育を実践しています。福沢諭吉のような教育に志(こころざし)を持った人が設立した学校、英語教育に力を注いだ人が設立した学校など、創立者の理念を受けついだ教育を行っている学校もあります。さらに宗教法人が設立した学校もあります。私立高校の場合、各学校の特色によってカリキュラムや施設、校風も大きく異なります。
公立、私立の他にも、国立、市立の違いもあります。最近では株式会社設立の学校などもあります。さらに選択肢としては男子校と女子校、普通科と専門学科などもあります。
高校の受験校選びでは、知っておきたいポイントがいくつもあります。
第一志望校をどこにするかで入試の内容も変わりますので、志望校選びは重要です。
中でも受験生にとって「専門学科」は高校受験で初めて知ることです。
専門学科や私学の状況は年度ごとに変わることも多く、最新の情報を入手し判断することをお勧めします。
このサイトでは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の、学校選択に役立つ情報を順次お知らせしていきます。例えば専門学科を検討する場合には
■「専門学科ってなんだろう?」普通科と何が違うの?どこが魅力なの?専門学科まとめ
■〈2022年度入試〉「学科やコースってなに?」志望校選びを開始しよう その1
■〈2022年度入試〉「学科やコースってなに?」志望校選びを開始しよう その2
■専門学科の先輩たちにインタビューした取材記事です。実際の各科の学習の様子が分かります(東京版・埼玉版)。
<埼玉版2022年6月号 ※2023年度入試対象>
◆県立熊谷農業高校(埼玉県熊谷市)【農業系:4学科】 「農業を通じて地域社会に貢献する」
◆県立新座総合技術高校(埼玉県新座市)【複合型:工・商・家庭系】 「複合型専門高校の強み」
◆県立大宮工業高校(埼玉県さいたま市)【工業系:4学科】 「マイスター・ハイスクール指定校」
◆県立幸手桜高校(埼玉県幸手市)【総合学科(商業系)】「伝統の商業教育、地域連携も強化」
<東京版2022年6月号 ※2023年度入試対象>
◆昭和鉄道高校(東京都豊島区)【鉄道科】 「先生と二人三脚で夢を掴む」
◆都立第一商業高校(東京都渋谷区)【ビジネス科】 「ビジネスの知識と技能を育成」
◆武蔵野学芸専門学校高等課程(東京都武蔵野市)【美術・デザイン系】 「美術に没頭できる3年間」
公立高の入試では、当日の試験で合否を決める学力選抜のほかに、都道府県によって推薦入試や特色検査・前期選抜など、別の判断基準によって選抜する仕組みを採用しています。
例えば、東京都は推薦入試と一般入試の2回試験がありますが、埼玉県は入学試験(学力検査)は1回のみ。面接試験がある学校もあります。自分の住んでいるところの入試制度をよく確認しましょう。
このサイトでは東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の選抜形式の情報や、試験のコツなどをお知らせしていきます。
埼玉県の場合、「学校選択問題」を採用する学校があり、数学・英語の試験内容は「学力検査」「学校選択問題」に分かれます。さらに各学校では「学力検査と調査書の得点の比」が設定されています。
■〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和5年度
また前述(Q1)のように、神奈川県公立高校共通選抜では面接試験がありましたが、本年度(2024年度/令和6年度)から特色検査に位置づけられます。
特色検査や私立高校などで面接試験がある受験生にはこちら。
■「面接試験どうすれば?」高校入試直前アドバイス-面接まとめ
内申書は、埼玉県では「調査書」にあたります。
内容はいずれの都県でも名前などの基本情報、各教科の学習の記録、学習の時間の記録(欠席日数)、総合所見・行動の記録・特別活動等の記録が記載されます。
ポイントは、公立高で「内申点」となる各教科の学習の記録に記載される成績の部分。ここが重要です。
さらに神奈川県では中2と中3、埼玉県では中1から中3と、内申点が記載される時期(学年)は都県により異なるため、内申点対策はできるだけ早くしておくことが大切です。
このサイトでは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の内申点(調査書)対策の情報もお知らせしていきます。例えば「内申点と学力検査の捉え方」の記事では
■〈2023年度入試〉埼玉県公立高「内申点が良くない場合、学力検査で大逆転は可能か」
■単願の場合、早々に合格通知を受け取ることになりますし「この学校に入りたい!」との意思が固まっている場合にいい制度です。ですが、そこにたどり着くまで、受験生は保護者と志望先の私立高の特長について調べ、よく知ったうえで、学校の先生とも相談しておく必要があります。
①各校の特長を知るためにいちばんおすすめなのが「学校説明会」です。「よみうり進学メディア」では埼玉県の各高校が集合する学校説明会「彩の国進学フェア」をお知らせしています。
※2022年夏(2023年度入試対象)は、川越と大宮会場の2か所に分け実施しました。
2023年夏(2024年度入試対象)は、さいたまスーパーアリーナで2023年7月15・16日に開催します。
■2023彩の国進学フェア(公立・私立)
加えて、他の民間団体で運営される「進学フェア」などの情報や、各都県の公立高校の学校見学・学校説明会情報もお知らせしていきます。
②「学校説明会」で概要をつかんだ後は実際に学校を訪問し、先生や先輩方の説明を聞き、施設や校風などを見て、学校の特長を直接確認しておくことをお勧めします。このサイトでは東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県各学校の説明会情報もお知らせしています。
例えば昨年度(※2023年度)、千葉県公立高校の場合は
■〈2023年度入試〉千葉県 公立・私立「夏の学校説明会・見学会・体験入学一覧」 -2022年7月~8月
私立高校は学費が気になりますが、実際に調べると国の高等学校無償化や、各都県の父母負担軽減などの制度があるので「思ったよりは高くない」と感じられるかと思います。
ただし支援額は世帯年収によって異なるため確認が必要です。
就学支援金は国や各自治体から発表されますし、担任の先生も相談にのってくださると思います。
このサイトでは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の各自治体と国の教育費補助について随時お知らせしていきます。例えば2023年度埼玉県の場合だと
■埼玉県の父母負担軽減事業補助と国の就学支援金について:
特別寄稿「私立高合格を確保してから、公立高にチャレンジしよう」大学通信情報編集部 大野香代子先生
ですので偏差値に100(点)はありません。全体の平均が偏差値50です。50(平均)からどれだけ離れているかを示すものなので、人数は50がいちばん多く、離れた数字になるほど人数が少なくなる仕組みになっています。
偏差値はテストを受ける集団によって異なるものです。自分がいる場所を知ることが重要であって、1点・2点に一喜一憂する必要はありません。行きたい高校の偏差値をまず調べて、「この偏差値を目指す!」と勉強にやる気を持つ方が大切です。偏差値についてもっと詳しく知りたい方は
■〈2022年度入試〉「偏差値ってなに?」志望校選びに生かす偏差値 その1
■〈2022年度入試〉「偏差値ってなに?」志望校選びに生かす偏差値 その2
全ての人の個性が違うように、受験勉強も「これ」という決まりごとはありません。
受験校のレベルや得意不得意など、さまざまな条件によっても異なります。ざっくりとした目安としては
・中1~中2の間は、授業をしっかり聞き、定期テストをしっかり受けることです。
宿題を提出、遅刻もしない、規則正しい生活を心がけましょう。これは内申点対策のためです。
・中2の春休みから、今までの復習に取りかかりましょう。苦手な教科の克服にいい時期です。
・中3の1学期は、授業をしっかり受け、定期テストにも取り組むことです。
極端にいえば、毎日の授業をしっかり受けていれば復習を素早く終えられますし、高校入試の問題は定期テストにも出ているはずです。
部活や文化祭など、中学らしい思い出を作るシーズンです、充実した毎日に全力投球してみてください。
・中3の夏休みは中1~中3の1学期までの復習を全て終えることを目標にしてください。
Q6にあるように、夏休みは進学フェアや学校訪問などで「高校生活」のイメージができてきます。勉強に励みがでてくると思います。
・中3の2学期からは毎日の授業と定期テストに加え、「過去問題集」に取りかかりましょう。入試問題を分析すると、出やすい問題、得点しやすい問題も見えてきます。ヤマを張るのではなく、苦手を洗い出して学習を効率的にし、ラストスパートをかけてください。
・中3の冬休み前には志望校確定、年明けからはいよいよ私立高の受験スタートになります。
このサイトでは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の「過去問」と、各自治体公立高の問題分析も行って行きます。たとえば2023年の埼玉県公立高の場合
■〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「2022年度の入試問題を解剖!①」問題構成と平均点から見えてくること
■〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「2022年度の入試問題を解剖!②」 各問の正答率から見えてくること
■〈2023年度入試〉埼玉県公立校「2022年度の入試問題を解剖!③-前編」通過率・正答率データを活用した勉強法【国語・数学】
■〈2023年度入試〉埼玉県公立校「2022年度の入試問題を解剖!③-後編」通過率・正答率データを活用した勉強法【社会・理科・英語】
Q5で書きましたが、内申点対策を考えると受験勉強は早いうちから取り組んでおくのに越したことはありません。中3の1学期からは授業と定期テスト、入試対策(復習と過去問研究)が並行することになります。中1と中2の復習は早めに終わらせておくのが理想です。
しかし中2となると学校生活も忙しくなり、部活に熱心な生徒も多いことでしょう。受験も大切ですが、一生に一度しかない13歳~15歳。中学生としての日々も大切にしてあげたいものです。
どんな高校に進学したいかは、受験生本人の個性や将来の職業イメージが大きく関わってきます。
また、中だるみしがちなタイプ、ラストスパートが利くタイプなど、本人の性格もあります。
スポーツ推薦を受ける、専門学科を目指すなど、どんな受験をするかによっても異なります。
ですので開始時期は生徒本人とご家庭の考え方、各々の個性によるものが大きいと考えます。
・受験対策として大きくとらえると「中1から毎日の勉強を」、
・受験生としての勉強習慣づけは「中2の春休み~中3の1学期にスタート」
・入試問題の対策を開始するのが「中3の夏休みからスタート」
これを目安に、クラブ活動や志望校のランク、本人の個性によって調節してください。
このサイトでは受験生を対象に、毎月の学習や受験への心構えなど、月ごとのシリーズ記事を掲載し、その時期のポイントを分かりやすく説明していきます。
■毎月の受験総合アドバイス:
〈2023年度入試〉1月のテーマ「受験生の皆さんへ最終アドバイス」-時間はまだある、最後まであきらめずに
■受験生からの疑問に専門家が回答します:
〈2023年度入試〉受験生の疑問に答えるQ&A「高校に行く意味ってなんですか?」「すぐに集中が切れてしまいます」ほか
高校受験は、ほとんどの中学生が初めて取り組む、大きなチャレンジです。
①精神力:継続して勉強に取り組み、総合的な学力を高めていくための、継続的な学び
②自己理想像の確立:自分の将来像、職業観までを含み選ぶ、志望校の選択
③計画力:希望する進路を実現するために計画を立て具体的に落とし込んでいく、入試対策
さらに「どの高校が自分に向いているか(自己分析)」「特技をどう生かしていくか」
「体調管理は自分でできるか」など、受験は中学生の総合力を育むひとつのきっかけとなります。
当サイトでは受験情報をわかりやすくお知らせすると同時に、
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の各高校と先生方、教育専門家、塾などの学習支援者の皆様とネットワークを組み、学習のみにとどまらない、中学生の成長を応援していく記事を発信していきます。
初めての高校受験に戸惑われている受験生の皆さん、保護者の皆さん、志望校合格へ向け、一緒にチャレンジしていきましょう。
(よみうり進学メディア編集部)
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